中国が米トランプ政権の高関税政策にもめげず、4~6月期の経済成長率で5.2%と、政府の年間目標「5%前後」を保った。米国以外向けで補い、輸出も好調だ。ただ、米国市場に頼れなくなり、激しい競争にさらされる中国製造業の疲弊が今後に影を落とす。
白い糸の束が複数個セットされた機械が、ガチャガチャと音を立て高速で肌着を編み上げていく。40台ほどの機械がぎっしりと並ぶ部屋で、数人の従業員が製造途中の製品をチェックしていく。よく見ると一部の機械は動いていない。
「今は閑散期だが、昨年の今ごろはそれでも7割ほどの稼働率だった。今は5割程度で、業況は良くない」。7月上旬、広東省スワトーで下着やヨガ用ウェアの製造工場を営む男性経営者(35)のもとを訪ねると、こう説明された。
原因はトランプ関税とそれに伴う競争激化だ。
市内に1万社以上の繊維関連…